こんなにある、IT化のメリット
「ITはこの世に存在する数少ない魔法のひとつである」
…この格言のような言葉は私の思いつきですが、元ネタは「カネはこの世に存在する唯一の魔法である」だったと思います。
それはさておき「IT化のおかげで私もあなたもハッピーでwin-win」とか「IT化を進めて仕事が減って楽になった」…私がこんなことを経験したのは一度や二度ではありません。
今まで一日がかりで手書きしていた表やグラフもエクセルならあっという間です。
また、対面で打合せをするか文字が潰れて見づらいファックスを見ながら電話でやり取りするしかなかった打ち合わせも、細部まで分かる画像をメールで送り、遠方の人とやり取りできるようになりました。
ITはありとあらゆる仕事を便利にしたのです。
目次
ITは場所を取らない
昨今、整理術や断捨離が叫ばれるのも世の中にITが普及したからです。場所を取る本や書類はデジタル化して処分できるようになりました。
また、デジタル化せずに本を手離してもネットで再入手できるようになったので、気兼ねなく本を手放せるようになったのです。
当然、私生活だけではなく、仕事でもIT化が推進されてきました。
株式の世界では…
例えば、今では「株券」がありません。株式の世界ではITでの取引が当たり前になっていて、株券は2009年に電子化さたのです。当時は思い切ったことをするなと思い、業界の推移を眺めていましたが、今では当たり前のように株券無しでの取引になりました。
IT化されたのは株券だけではなく決算書などの書類もそうです。それらは全てPDFで配信されるようになりました。
通常、その手の書類は印鑑が押されてようやく正式書類として扱われますが、こと株式の世界ではそんな日本の慣習を打ち捨てて、とっくの昔にIT化を達成していたのです。
IT化が進まない私たちの職場…
しかし私たちの職場では、社内のやり取りでも紙ベース、それも印鑑が無いとその書類はただの紙切れ扱いです。およそIT化とは程遠い現状があるのではないでしょうか?
その一方で、間違いが許されず正確さが求められる株式の世界においてIT化が達成され、日々ペーパーレスで株取引が行われているのです。
株式・金融という最もお堅い世界でIT化が達成されたのです。私たちの職場や仕事でIT化できないはずはないのです。
現代ではIT化できるものはどんどんIT化して、仕事を合理化・高速化できる時代になったのです!
ITは場所や時間を選ばない
携帯やスマホ、ノートPCがあれば、どこでも仕事ができて当たり前の世界になりました。
また、メールは送信者・受信者が同じ時間に連絡を取る必要がありません。夜中に送信したメールを翌朝読んでもらえればコミュニケーションが成立するのです。したがって海外との時差を考える必要もなくなりました。
仕事の場所や時間を選ばない事でSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)も進みましたが、本当に素晴らしいことだと思います。
逆に言えば今までの仕事は場所に縛られていました。もっと言えば場所だけではなく人間関係にも縛られていたのです。昔は様々な意味で自由がありませんでした。
しかしITは自由です。場所の自由、人間関係の自由、どこから収入を得るかも自由なのです。
ITは忘れない
人間は物忘れをします。また、物忘れとまでいかなくても、ある事実を自分に都合のいいように改変して「記憶」しています。人間の記憶力はあまりアテになりません。
しかしITは入力した情報が「記録」として残ります。そのうえ検索も簡単で瞬時に過去の記録を取り出すことができます。
だから「記録」はITに任せて人間はもっと生産的で人間にしかできない仕事をすべきなのです。昨今、創造性や交渉力・コミュニケーション能力が必要だと言われるのはこのためです。
人間の秘書ではこなせない役割
「超」整理法で有名な野口悠紀雄氏は、ITの素晴らしさをこう語っています。
いま、本を数冊渡されて、「ここから、〈整理〉という言葉を探し出せ。もれなく検索せよ。もしかしたら、一つもないかもしれない」といわれたら、普通の人なら、馬鹿らしくて、まず引き受けないだろう。しかし、本が電子的なファイルになっていれば、コンピュータは、この作業を数秒のうちに正確にやってのける。普通の人が持っている普通のパーソナル・コンピュータでも、これができる。しかも、いくら作業をやらせてもタダである。これは、信じられないようなことだ。
この面でのコンピュータの能力は、驚嘆すべきものだ。人聞を遥かに越えている。人間ならあまりに馬鹿らしくてできないことを、何の文句もいわずに忠実に遂行するからである。私はしばしば、パーソナル・コンピュータに「ハードディスク内全文書からの捜索」という作業を命じているが、一心不乱に(?)膨大なファイルを調べているけなげな姿をみると、頭をなでてやりたい気持ちになる。野口悠紀雄/「超」整理法 より抜粋
今の時代、ネット検索でもPC内の検索でも、語句を入力すれば瞬時に検索結果が表示されます。しかし書籍などのアナログなデータから何かを検索するには、人間が全てのページに目を通すしかありません。
昔はそうして調べごとをすることが「仕事」でした。しかし今は人間が全てのページに目を通す前に、まずデジタル化できないか検討することから「仕事」が始まります。
自分で買った一冊の本があるとします。その中から何かを探し出す場合、まずはその本をスキャンしてデジタルデータにします。次にOCR(PCにスキャンした文字列を読み取らせ、検索やコピーペーストが可能なテキストデータに変換すること)をかけます。ここではじめて「検索」するのです。こうすれば1ページずつめくって全ページを確認する必要がなくなります。
ちなみに先程引用した「超」整理法の書籍はデータ化してOCR済みだったので、検索で簡単に引っ張り出せました。
IT化を阻害するものとは?
このようにメリットしかないIT化ですが、意外にIT化が進まない業界があります。あなたが所属する業界でもそんな話で溢れていると思います。
かつてデジカメが出始めた頃、その画質は微妙に嘘くさい感じでした。私が初めてデジカメに触れたのは1999年頃でしたが、当時は普及するかどうかも分からなくて賛否両論の状態でした。
しかし画質と利便性が向上し、あっという間にデジカメは普及したのです。
また、同じ頃、書類は手書きが大半でした。当時の私もカーボンを敷いて見積書を手書きしていましたし、取引業者からの見積書も手書きでした。
それから数年経った2005年頃、手書きにこだわる人が「手書きの方が味があって良い」と言ったのを今でもよく覚えています(これは実際、私が見聞きした話です)。
しかし今や手書きとPCの比較は議論の余地もなくPCに軍配が上がります。手書きが良いのは年賀状やお礼状くらいですが、そのお礼状を手書きするにしてもPCで下書きしてから清書する人が多くなっているのです。PCは編集能力に優れ、推敲も思いのままなので手書きと比べるべくもないのです。
短期的かつ短絡的思考を捨てる!
このように仕事の出来不出来、生産性の高低はどれだけIT化を進めたかにかかっています。それくらい重要なIT化ですが「手書きの方が速い」とか「FAXの方が簡単」という理由で未だにPCやメールを使わない残念な人たちがいるのが現状です。
実にもったいない話ですが、それはIT化の便利さや恩恵を十分に理解していないからだと言えます。
確かに短期的(=短絡的)に見れば手書きやFAXの方が速い場合もあります。
FAXの場合、FAX番号は10桁なので電話口で聞いて簡単にメモできますし、乱雑に原稿を書いて10桁の番号を押せばサクッと送信できるのです。確かにFAXは簡単です。
これがメールの場合、電話口でアドレスを聞くだけでも一苦労です。しかし2回目の送信からはメールの方が圧倒的に素速くやり取りできるようになります。
メールを受信した相手にとってもメールは便利です。何しろメールの返信ボタンを押すだけで返信できるのですから!
更には送信時刻も自動的にスタンプされるし時間順に受信・送信メールが溜まるので、管理の楽さはFAXの比ではありません。
このように短期的・短絡的に見ればFAX(アナログ)が有利ですが、ほんの少しでも長期的に見れば圧倒的にメール(IT)が便利なのです。
IT化できることはIT化する!
仕事を仕組み化してラクできるようになるのとIT化は似ています。
最初に少し工夫したり労力をかければ、その後ずっと快適な仕事環境を維持できることが仕組み化と似ているのです。
なのでIT化できることはIT化する…、このような気持ちで仕事をラクに、効率化してほしいと思います!
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