保守的な組織であなたの信念を実現する具体的な方法
日本の企業は保守的です。国内企業をはじめとして外資系企業との競争も激化し、国際化が進んでいる現代においても、相変わらず日本企業は保守的です。
業績が悪化しているにも関わらず、最後まで保守的でかたくなな企業は倒産するか外資系企業に買収される末路になりますが、そうでもしないと体質が変わることはありません。
日本企業の社内では改革だ何だと言いますが、掛け声だけで終る場合がほとんどです。
また、改革を実行しても上辺だけで満足する場合が多いので、以前より業務が非効率になることさえあります。
炎の信念と氷の戦略!
そんな日本企業で働くあなたですが、斬新な改革案を思いついても上層部は保守的なので、あなたの改革案が採用されることはありません。
ではどうするか? 諦めて多くの社員が「おりこうさん」になっているなかで、あなたの改革の炎が消えないようなら、氷のように冷静になって戦略を練るべきです。
ロビー活動がもっとも現実的だ!
…と言っても、この方法は時間がかかります。しかしあなたが近いうちに退職するのでなければ、長期的に上層部と渡り合ってほしいのです。
まずは正面から改革を訴えていたのを止めます。
そんなことをしても「なんだあの失礼なヤツは!」と心証を悪くするだけです。この手の組織は表向きは積極性だ何だと言いながら、結局は従順な社員を望んでいるのです。
なのであなたは正面突破を諦め、徹底的にロビー活動をするのです。
ロビー活動とは、企業が政治家にお願いごとをするとき、正面からお願いに上がるのではなく、ホテルのロビーでくつろいでいる政治家にそれとなく近づいて少しずつ懐柔(かいじゅう)する活動のことを言います。
あなたの場合、正式な会議の場で改革案をブチ上げるのではなく、あなたが上層部や上司と立ち話ができるようなタイミングで「今、○○が必要だと思いますが、まだまだ我が社には早いですよね…」という感じで、それとなく吹き込んでおくのです。
すると「そうだね、たしかにその必要はあるけど、まだちょっと早いかもしれないね」くらいで終ります。
お偉いさんは下々の者に正面から要求を突きつけられると反発しますが、柔らかに話を持って行けば、あなたの主張に一定の理解を示します。
お偉いさんは大物振りたいので、もの解かりが良くて寛大な振りをしたがるからです。
もちろんその場での進展は1ミリもありませんが、上層部に失礼なヤツだと思われないので「次」につながります。
少しずつ、焦らずに!
ただし、この工作活動は頻度を考えながら慎重に行う必要があるので、長期戦を覚悟しなければなりません。
折に触れて「○○は他社でも導入しているようですが、我が社ではまだちょっと早いですよね…」という感じで、自分からその必要性を打ち消すような話術が効果的です。そうすれば上層部の心証も穏やかなものになります。
こうしてある種の刷り込みを行い、機が熟したタイミングで表立ってお願いするのです。
あなたが相手にする人は保守的な会社で上層部に登り詰めた人たちです。当然、保守的な考え方が身についている人たちです。
そんな人を相手にするのですから、いきなり要求を突きつけるようなことをすれば反発を食らうのは必至です。
なので少しずつ時間をかけ、相手の顔色を見ながらその気にさせて、あなたの要求を少しずつ浸透させていくのです。
あなたの信念と器が試される!
このような方法は、あなたに強い信念としなやかな心がなければできません。実はあなたの器が試されているのです。
よくドラマなどで会議室で吠えるシーンがありますが、それはほとんどの場合、反発を食らうだけに終わります。
人間はメンツの生きものです。まして保守的な会社で上層部にまで登り詰めた人であれば、己のメンツを守ろうとするのは当然の話です。
そんな人たちに絶望して思わず吠えてしまう気持ちは痛いほど分かりますが、その時点であなたの負けが確定します。
なのでここは長期的に、戦略的に、あなたの信念を相手に浸透させる必要があるのです。
長くてもどかしい道のりですが、保守的な組織の本質を見抜いて現実的に考えれば、この戦略がベストになるはずです。
- 前の記事:「誰が言ったか」より「何を言ったか」が大切
- 次の記事:部下や作業員を動かす超効果的な言葉とは!?
スポンサーリンク
スポンサーリンク