コーチングは信頼関係を築くまで、何もしてはいけない!
「鬼コーチ」や「鬼親方」などの言葉があるように、修行は厳しいものという前提があります。しかし今の世の中、そのような価値観が無くなりつつあるので厳しさが逆効果になることがほとんどです。
しかしコーチの側に権威がなければ人はついてきません、学級崩壊のように先生に権威が無くなったことで起こる問題もあるのです。
ではどうすればうまくコーチングできるのでしょうか?
正面からの正論は役に立たない!
正面から正論で厳しく接しては、人は絶対にあなたの言うことを聞きません。
A氏は新入社員B氏の指導でそのように接したところ、まさに面従腹背の憂き目に遭ったことがあります。それ以来、両者はお互いに距離を置くようになりました。
ただ傍観する日々
そんな冷え切った関係が数年もの間、続きましたが、A氏とB氏は直接的な利害関係がありませんでした。A氏にとってB氏は部下というより後輩なので、もともとA氏に指導責任はなかったのです。だからA氏は後輩B氏の仕事振りをただ傍観していました。
しかし先輩であるA氏の方が仕事上の経験があるので、B氏の仕事を見るにつけ「もっと○○したほうがスムーズに進むのに」と思っていました。しかしそれでもA氏は過去を反省し、B氏に介入しませんでした。
信頼を取り戻すには長い時間が必要
むやみに介入しないA氏の態度がB氏の心を開いたのか、最近ではB氏から「○○の件で教えてほしいのですが」とか「○○の場合、どうするのがベストでしょうか?」とA氏に聞いてくるようになりました。
A氏の方が経験豊富なので相談されるのは当然ですが、しかしB氏は過去の苦い関係があったのでA氏を避け、長年、相談や質問をしなかったのです。
しかし時は流れ、B氏の心のわだかまりも溶けてきてました。
また、A氏も問題解決方法を提示する時に決して押し付けがましくならないように言葉を選んで話すようになったので、お互いに信頼関係ができたのです。
B氏は先輩であるA氏に愚痴をこぼすこともあり、今ではお茶飲み友達のような関係になっているそうです(笑)
「権威」よりも「信頼関係」を!
このサイトでは「時短」や「最速」、「効率化」を謳っていますが、人の心にそれらを無理やり当てはめれば、必ず失敗するようにできています。
なので、まずは何も言わずに信頼関係を築くのです。
A氏は手痛い失敗からそのことを学んでからというものは、初対面の人とは必ずこの方法で接するようにしています。
結果としてそれが一番「時短」で「効率的」だからです。
なので誰かをコーチングしようと決心したら、決して最初から高圧的に接してはいけません。また、厳格に接してもいけません。
時間はかかりますが、信頼関係を築き、あなたに経験やノウハウがあれば、人は勝手に相談してくるのです。
カリスマの条件
どの業界にもカリスマと呼ばれる人がいますが、彼らは自分がカリスマであることを押し付けたのではありません。
そうではなく、勝手に人々が慕ってくるのです。そのような状況でカリスマ氏が何か発言すれば、絶対的な言葉として人々の心に響くのです。
「○○しろ」と言わずとも、最小の力でカリスマの言うがままに従うのです。
ここが人間の心理の面白いところです。
北風と太陽の話と少し通じるところがあるかもしれません。
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