社是や目標の本質的な効力とそれを発揮させるには!?
社是を唱和する会社は古臭いという風潮がありますが、本当にそうでしょうか?
かつては私もそう思っていましたが、あるとき社是唱和に思わぬ力があることに気づき、考えを改めました。
多くの会社では社是が形骸化していますが、社是はその本質を踏まえて活用することで、大きな力を発揮するのです。
社是は最高の判断材料である!
社員に社是を唱和させるのであれば、毎回真剣に行う必要があります。
それは社是の真意を社員ひとりひとりに徹底して浸透させるべきだからです。
これは洗脳ではなく社是の真意を十分に理解してもらい、現場レベルで実践できるように徹底するのが目的だからです。
社員の数が増えると末端にまで社長の方針が行き届きません。だからこそ社是に会社の方針を込めて、末端社員でも現場で正しい判断が下せるように訓練する必要があるのです。
その意味で社是は非常に有効なツールになり得るのです。
しかし多くの会社では社是唱和が惰性になっていて、社員の頭に社是が入っていません。
しかしそれではいけません。社是は社員が現場で迷った時や判断を迫られた時の指針となり、社是を判断材料にして動いてもらう必要があるからです。
経営者が望むこと…!?
例えばA社とB社の社是は次の通りです。
・A社の社是「高売上・高利益に勝るもの無し!」
・B社の社是「お客様との信頼関係は向こう百年の宝なり」
会社によって、何が重要かはそれぞれです。
A社は創業まもないベンチャーで何よりも規模拡大を目指しています。
B社は創業100周年の老舗企業で、更に向こう百年を見据えた経営を志しています。
もし両社の社員が同じ状況に置かれた時「経営者として選択して欲しいもの」が異なるのです。
仕事の現場では末端の社員でも判断を求められますが、そんな時にベストな判断を下せるように自社方針を徹底的に浸透させておく必要があります。
「本音」と「建前」になってはいけない!
B社の社是は「お客様との信頼関係は向こう百年の宝なり」ですが「薄利だがお客様との関係が良好になる取引」をした社員がいたとします。
しかし上司が「なぜ薄利で取引をしたのか!」と叱責すれば、B社の社是は「建前」だったことになります。
社是ではカッコイイことを言っておきながら、会社も上司も短期的な利益を望んでいて「建前と本音」があることにその社員は失望し、社是も会社も上司も信用しなくなります。
また他の社員にも失望の空気が共有され、B社の社是は「建前」となり虚しいものになるのです。
トップ自らに決意はあるか!?
こうならないために社是と実際の方針を一致させ、それを徹底しなければなりません。
末端社員だけでなく現場に出ない中間管理職にも徹底し、もちろん社長自身も腹を据えて社是を実行し実現する…、このような気概は社員にとって「社是は建前ではなく会社の本音なんだ」という「安心材料」になり、やがて社是を信じて行動するようになるのです。
多くの会社で惰性になっている社是唱和ですが、真剣に取り組めば強い組織が生まれるのです!
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