モチベーションを軽く見る日本企業

日本の企業では従業員のモチベーションを軽く見る傾向があります。

従業員は顧客に理不尽な要求をされても「お客様は神様です」の精神で我慢しなければならないし、その要求に対して異議申し立ても拒否もできません。それどころか笑顔を浮かべて対応しなければなりません。

これでは仕事に対するモチベーションがどんどん低下してしまいます。
しかしそのことが省みられることはほとんどありません。

とにかくこちらが折れて我慢して事を荒立てない…、これが日本における「大人」の姿です。

 

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モンスター顧客が育つ仕組み

理不尽な要求をどこまでも突きつけてくる顧客がいます。しかしそんな顧客でも多くの企業では縁を切ろうとしません。正確に言えば顧客ではない見込み客レベルでも縁を切りません。

見込み客なら今この瞬間に縁を切っても何の実害もありません。しかし従業員が理不尽な要求をねじ込まれている分には、そのことに対しても『何の実害もない』ので、その従業員はただただ耐えることを要求されます。

大なり小なりあっても、このようなケースは日本中の職場で見られるものです。

モンスター顧客が育つ原因は、理不尽をねじ込んでくる人間をどこまでもお客様扱いする企業側の姿勢にあります。だからますますその要求がエスカレートするのです。

モンスター顧客は勝手に育つわけではありません。企業側が毅然とした対応をしないことでモンスター顧客を育てているのです。

本当に怖い「お客様は神様です」の呪縛

我慢はゼロ円のように見えて、ストレスが蓄積されることで見えない損害がたくさん発生します。

我慢を強いられた従業員はモンスター顧客以外の対応もしたくなくなります。仕事自体のモチベーションが下がるのです。

私は根性論が嫌いですが、モチベーションや仕事に対する情熱、やる気は非常に大切なものだと考えています。

それらは金銭的なインセンティブや雰囲気の良い職場環境を整えることで作るべきものですが、モンスター顧客との付き合いを止めることは最も良い対応策のひとつと言えます。

真のストレス源を見極める!

仕事は遊びではないので苦労や我慢は付きものです。そんなことは従業員も分かっています。だから通常業務ではある程度のことは我慢できるし、適度な苦労も致し方なしと思えます。なのでそれらのストレスだけでは従業員のモチベーションに深刻な影響を与えることはありません。

しかし理不尽なモンスター顧客に対しての苦労や我慢はすぐに心の限界を超えてしまいます。しかも「お客様は神様です」という呪縛があるので逃げ場がありません。

上司はもちろん周りも助けてくれず、従業員自身の倫理観にも「お客様は神様です」というすり込みがあるので更に逃げられないのです。

こうしてその従業員は圧倒的なストレスを抱えてしまい、ついにモチベーションが枯渇するのです。

本当に人を大切にできるか?

日本企業が従業員のモチベーションを軽視する背景には「従業員は黙って働いてナンボ」という考えがあります。その背景には、対等な契約関係ではなく封建的な主従関係が見て取れます。

従業員のモチベーションを無視して働かせると、従業員を生産活動だけに集中させられるので効率的に見えますが、実は違います。

モチベーションの低下は視認しづらいだけのことで、実際の生産性は下がります。だからいくら恐怖で縛り上げても長続きしません。

そんなことをしてもある日突然、従業員が会社を辞めるなどの具体的な行動となって現れます。それは離職率という数字にも現れるのです。

世の中には「人財」という言葉があるくらいです。IT化や仕組み化がされても、最後は人がいないと企業は回りません。

企業はどこまで本気で従業員と向き合えるかが問われているのです!

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