紙は効率化を阻害する最大の原因である!
世の中の会社では日々、驚くほどムダな仕事をしています。
事前の段取りがなってない、仕事のフロー(=流れ)を把握していないことで起こるドタバタ、行き当たりばったりで物ごとを進めて行き詰まる、ムダに複雑な書類…。
自社・他社を問わず非効率なことが多すぎますが、自分ひとりではどうしようもないので、ある程度はそのやり方に従うしかありません。
しかし「人のふり見て我がふり直せ」のことわざの通り、自分で改善できることもあります。
ここでは普段当たり前にこなしている仕事のなかに、どんな非効率があるかを挙げていき、改善方法も提示したいと思います。
電子化できるものは電子化する
…IT企業でこんなことを言ったら笑われますが、IT以外では大企業でも紙の書類にこだわるところが未だに多くあります。
先日驚いたのは3万円という(業界的に)極めて小額の仕事で、先方から注文書が郵送されてきたことです。
業界によって3万円が大きいか小さいかは違います。しかしこの業界では100万円以上で印鑑が押してある紙の注文書を発行するのがひとつの目安になっている、そんな経済規模での話です。
通常3万円程ならメールかファックスで発注して終わりですが、わざわざ注文書が郵送されてきたのです。しかもその注文書は表紙と明細の2枚を糊でとじている形式のものでした。
また、同封の注文請書に社判・社印を押して返信するようにと指示があります。
これがメールなら「貴社○月○日付、税別3万円のお見積書に基づき△△を発注します」の一行で終わりです。
しかし注文書原本のやり取りでは…、
…などの作業が発生しますが、メールであれば…、
…で終わりです。
2ヶ月に1度の作業ならまだいいですが、こんな作業が1ヶ月に何十回もあるのです。これでは深夜まで残業をしないと仕事が終わらないはずです。
紙はデメリットが多い!
紙の注文書の場合、社印を押す必要があり、その社印は上長の机に置かれています。小さな会社なら社長の机の場合もあります。
当然、紙を印刷して少し歩いて印鑑を押さなければなりません。管理が厳しい会社なら、上長や社長に押してもらう必要があります。印鑑を押したあとに間違いが発覚すると、また印刷→押印しなければなりません。
このように紙は動作が多いのです。印刷して押印→郵送するにも切手を貼ったり宛先を書いたり送り状を入れたりと、紙は面倒が多すぎるのです。
メールなら机から立ち上がらずに、全てが手もとの操作で終わります。
この違いを馬鹿にしてはいけません。あなたのまわりには小さな仕事が無数にあるのです。それぞれ1秒でも速くこなせるように合理化してほしいのです!
契約の有効性を確認しておく!
未だに多くの企業が紙にこだわるのは、紙は偽造しにくく法的な効力があると考えるからです。確かに紙の書類に印鑑があるものは証拠としては最強の部類に違いありません。
しかし実は紙だけはでなく、法律上は口頭の約束も有効です。
口頭の場合、録音していないと「言った言わない」になって証拠になりませんが、録音があれば法的な証拠になるのです。
電話の録音が証拠になるのでメールも証拠になります(そのメールが偽造でないなど、条件もありますが)。なので通常の取引ならメールで発注しても問題ありません。
通常の発注はメールで簡単に、高額で重要な契約は紙で、というふうに適切に使い分けて、業務の最適化を進めることが大切です。
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