「一生気づくことができない」という恐ろしさ…!
先日、フラッとラーメンを食べに行きました。近所の国道沿いにはラーメン店が軒を連ねていますが、ある店はチェーン店で、宣伝ポスターに悪役レスラーを起用しています。
店の前に貼られたポスターには、こちらをにらみつける悪役レスラーが、背景には稲妻がほとばしっています。
店に入るのを少し躊躇させるポスターです。こだわりのラーメン店では客と店主の立場が逆転していて客が叱られたりしますが、そんな世界を想像させるからです。
世界観と実際の接客
「スープの飲み方が悪い」「もっと味わって食べろ」と様々なしきたりや暗黙のルールがあって「シロウトお断り」をポリシーにしている店に入るのは勇気がいります。
そのチェーン店はポスターからそんな雰囲気を醸し出していましたが、横の個人経営の店もそんな感じでした。
どちらに入るか少し迷ったあげく、私はチェーン店に入りました。
すると若い女性店員が明るい声で「いらっしゃいませ、ようこそ○○へ!」と挨拶してきたのです。
さっきまでの世界観はどこへ行った!? 悪役レスラーが醸し出すあのいかつい感じや「漢(おとこ)の食いもの」の世界はどこへ行ったのかと拍子抜けしたのです。
しかし、しばらくして私は商売の本質を見た気がしてハッとしました…!
お化け屋敷は超安全に!
おどろおどろしい雰囲気のお化け屋敷でも、安全に配慮して作られています。世界観は恐ろしく、実際は安全に。…当たり前の話ですが、そのラーメンチェーン店もそんな「演出」だったのです。
雰囲気は怖いけど実際の接客は明るく親切。…これが顧客満足度を高めるための洗練された店作りの演出だということに気づいてハッとしたのです。
さっきから何を当たり前の話を…、と思いながら読まれている人がいるかもしれません。
しかしこれは当たり前のことではありません。その証拠にチェーン店の横にある頑固店主の店にも入りましたが、雰囲気だけではなく接客も恐ろしかったのです。この頑固店主は全てにおいて恐ろしく「演出としての怖さ」ではなかったのです。
逆にチェーン店はあくまで「演出としての怖さ」であって、実際の接客は明るく親切なのです。
…これではあの頑固店主がチェーン店に勝てるはずがありません。実際、その頑固店主の店はしばらくして閉店しました。
仕事は結果しか見えないから恐ろしい!
しかし閉店するより更に恐ろしいことがあります。それは廃業した頑固店主は「店が潰れた真の原因」を理解できないままの可能性があることです。
「俺の味がわからねぇド素人ばっかりの世の中じゃ…」と考えて店を畳んだとしたら、それは頑固店主の大きな勘違いです。
チェーン店の本部の人は、常に「どうすれば顧客満足度を上げられるか?」を考えまくっています。
そのためにマーケティングもすれば心理学的なアプローチもするでしょう。来る日も来る日も全力で顧客満足度の向上を目指しているので、チェーン店がすることは全てが考え抜かれた戦略に基づいてやっていることなのです。
- ラーメン=漢(おとこ)の食いもの=悪役レスラーのポスター→これが演出
- 接客業=サービス業=親切なおもてなし→これが実際の接客
それに対して頑固店主は顧客満足ではなく自分満足を目指しているので、チェーン店との競争に負けるのは必然といえます。
しかし本当に恐ろしいことは競争に負けて店を畳むことではなく、店を畳んだ真の原因が分からずじまいだということです。
「俺の味がわからねぇド素人ばっかりの世の中じゃ…」こうした思考停止に陥っているようでは真の原因に一生気づけません。
常に勝因・敗因を探る努力を!
この話から学ぶべきこと、それは私たちも仕事の結果を真摯に受け止めて慎重に勝因・敗因を検証しなければならないということです。
仕事は学校のテストと違って答えがひとつではありません。また、答えがあったとしても、その答えが明確に分かるとは限らないのはこの話の通りです。
しかしそれでも何が勝因か、何が敗因かを謙虚に探る努力を怠ってはいけないのです!
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