工場の合理化をオフィスに適用すれば激的に生産性がアップする!
工場では徹底した時間管理や品質管理、工程の見直しで合理化が図られますが、これがオフィスになると、なぜか時間あたりの仕事量も仕事のフロー(=流れ)も合理化されません。
それどころか、それらに意識が行くことすらありません。
遅くまでだらだらと残業をしたり、延々とプレゼンソフトで社内資料を作ったり、ハンコだらけの書類を回したりと、生産性とは程遠いことが多くの企業で行われています。
ホワイトカラーのオフィスワークは「頭の汗をかく仕事だから時間で成果は計れない」という考え方(=言い訳)があります。
これは半分はその通りですが、もう半分は間違っています。
なぜならオフィスワークでも合理化や工程の見直しが可能だからです。
改善の前には必ず「観察」から!
オフィスワークにムダがあるとして、いったいどこから改善すればよいのでしょうか?
さっそくムダを見つけて改善したいところですが、まずは今、自分の仕事を見直すことから始めます。時間の見直し、仕事のフロー(=流れ)の見直し、ムダなことを洗い出す、…やることはたくさんあります。
普段から習慣的にやっていることはムダを見つけにくいものですが、あなたの業務を紙に書き出せば、多くのムダに気づくはずです。
一日の時間を「見える化」してみる!
まずは実際に過ごした一日の時間割を詳しく書いてみます。
出社・退社時間はもちろん、昼食や休憩時間まで全てを書き出します。会議の時間、書類作成の時間、移動時間、打ち合わせの時間…、これらを全て「見える化」して、どこにムダがあるかを調べます。
大きな会社なら部署間を移動するだけでもひと仕事です。移動したついでに自販機でコーヒータイムが日課になっているかもしれません。
また、何度も移動しているようであれば、それを1回にできないかと検討することが必要です。
習慣になっていることほど自分では見えにくいものです。しかし書き出すことで「あ、この時間は2回を1回にまとまられるな」というふうに色々なことが見えてくるのです。
仕事のフローを見直す!
次は仕事のフローです。これが悪いといくら頑張っても半分はムダな時間を過ごしていることになってしまいます。
上司に許可をもらうべき案件が多すぎる場合は「前例」を収集します。例えばあなたが営業パーソンで低利益率で特別価格を出す場合、上司に相談する暗黙の了解があるとします。
そんな場合、一度やったケースを「記録」しておくのです。
そうすれば上司がいなくて急ぎの場合、前例を当てはめて価格を出せます。
日本の多くの組織は前例主義です。ここは悪しき日本の習慣を逆手に取ってやりましょう。
また、あまりにそのようなことが多い場合、権限の移譲を検討してもらうといいかもしれません。
これは上司あってのことですから慎重に行う必要があります。しかし本気で時間短縮と効率化を図るのであれば、少なくとも一度は打診してみる、あるいは「急な仕事に対応できない」と困っていることを(角が立たないように)申し出るべきでしょう。
また、上記が改善されないとして、それならあなたが先回りして仕事を進める手もあります。
上司のスケジュールをそれとなく聞いておいたり、社内ネットで上司のスケジュールを把握して、上司が離席する前に相談を持ちかけるようにするのです。あなたが「待ち」になるムダ時間を極力削るように動くのです。
これとは逆に自分の仕事を片づけてから上司に相談しようとすると、上司は離席した後かもしれません。
しかし上司の動向を知っておけば、自分の仕事は後回しにしてでも先に上司に相談するという動き方ができるのです。こうして1秒でも時短になるように動きましょう。
仕事や作業の「工程」を意識する!
工場で木の箱を作るとして、そこにはいくつもの工程があります。材木を切る、組み合わせる、ボンドを塗る、固定する、乾燥させる、色を吹き付ける…、完成までにいくつもの工程があり、「工程」が「工賃」として価格に上乗せされていきます。
工場は「工賃」の考え方があるので時間や効率、工程管理にシビアです。これをあなたの仕事や作業にも当てはめて考えてみるのです。
ムダな作業はないか、重複している作業はないか、朝やって夕方にもやる作業をひとまとめにできないか…、これらを大きなことから小さなことまで全てを見直すのです。
この場合も自分の行動や作業内容を紙に書き出すとよいでしょう。
仕事ではありませんが「ペットボトルの水をコップで飲む」という行為を書き出すとこうなります。
・ペットボトルを手に取る
・ペットボトルのキャップをあける
・コップを見る
・コップを手に取る
・ペットボトルとコップの両方を見る
・ペットボトルを傾ける
・コップから水が溢れないように注意して見る
・ペットボトルを置く
・ペットボトルのキャップをしめる
・コップを口元に持っていく
・コップを傾ける
…おおげさなようですが、私たちが意識しないだけで少なくともこれだけの「工程」があるのです。ロボットにこの動作をさせたければこの全てをプログラムする必要があるのです。
ロボットではない私たちは無意識でこの複雑な行為をこなしています。
これは仕事でも同じです。デスクワークであっても色々な動作が身体に染みついているので、ムダなことをしていても意識できません。なので可能な限り細かく書き出して、客観的な視点で再検討する必要があるのです。
オフィスワークは改善箇所だらけ!
これらの改善に本気で取り組むと、オフィスワークはムダの集合体であることがよく分かります。そもそもやらなくてよいことを一生懸命やっていたり、3人でできることを5人でやっていたり、…私はそんな現場を数多く見てきました。
もちろん私自身の仕事環境やフローにも多くのムダが潜んでいました。それらをひとつひとつ検討し廃止・改善したことで、私は多くの時間と余裕を得ることができました。
「私には全くムダが無い」、「ぞうきんを絞りに絞ってムダという水は一滴もこぼれ落ちない」、…そう断言できる人は普段から改善に取り組んでいるのでしょう。しかしあなたはそう断言できるでしょうか?
ほとんどの人はそう断言できないはずです。なのでまずは自分の身の回りのムダを紙に書き出して見える化するところからはじめましょう。
そうすれば、あなたの時間や効率は激的に向上することでしょう!
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