仕事は平均値が分かってくれば怖くない!
仕事に対する恐れや怖さがあるとすれば、それは未経験から来るものだと思います。
誰もが、経験がない仕事に怖さを感じるのはしかたがないことです。
では逆に、「経験を積む」とは一体どういうことでしょうか?
私は経験のうちに「平均値が分かってくる」というものがあると考えています。
ただ住んでいるだけで分かること
例えば東京にずっと住んでいると、大雪でどの程度、社会や交通インフラがマヒするかが分かってきます。
電車やバスはもちろんですが、企業も「今日は大雪のため、14:00で終業です」となります。
このように、長年東京に住んで実際に大雪を経験することで「この程度の雪なら大丈夫だろう」とか「前回、この積雪で都内は大混乱だったから、今回もヤバそうだ」というふうに判断がつくようになります。
特に何の向上心もなく、ただただ東京に住んでいて「経験」するだけのことですが、しかしあなたの中には「おおよその平均値」が蓄積されていくのです。
しかし実は、これこそが何ものにも代えがたいあなたの経験なのです。
その経験を人に話す!
そしてあなたはその経験を人に話せます。
先ほどの大雪の話はひとつの例であり、多くの人が経験するので「あなただけの特別な経験」ではありませんが、仕事をしていれば「あなただけが経験すること」がたくさん出てきます。
その知識を顧客に話せば「なるほど」となります。
このように、机上のデータや「誰かに聞いた話」ではない、「あなたが経験した事実」が大きな説得力を持つようになります。
あなた自身も、初めて経験したときは動揺したり焦ったりしたことも、2回目、3回目になると「これはあのときのパターンだな」とか「あのときより今回はマシだな」というふうに落ち着いて対処できるようになり、それが更にあなたの経験を分厚いものにしてくれるのです。
相対評価ができることの強さ…!
例えばあなたが仕事を依頼する取引業者のA氏は、何度催促しても資料を出してくれません。
あなたが入社1年目だと、この人がいい加減なのか本当に忙しくてどうにもならないのかの区別がつきません。
しかしあなたはその後、色々な取引業者と付き合ううちに、A氏はやっぱりいい加減な人だということが分かってきます。
取引業者B氏、C氏、D氏…と、多くの人と付き合うので平均値が分かり、A氏を相対的に評価できるようになるからです。
B氏、C氏、D氏も、ときにレスポンスが遅いときがありますが、それでも2回も催促すれば資料を送ってくれますし、どうしてもできないときは「○月○日まで待ってくれませんか」と返事をくれるので、まだ誠実さを感じられます。
それに比べてA氏はその返事すらないのです。
あなたはA氏がいい加減だということがハッキリ分かりました。
しかしA氏としか付き合いがないければ、A氏がいい加減かどうか判断しようがないのです。
これが経験の重要さです。
経験があるかないかで、人をどう見るかが違ってくるのです。
もちろんこれは人を見る目だけではなく、商品やサービスを見極めるのも同じことです。
上から下までさまざまな商品やサービスを見てきた経験があるからこそ、いま目の前に
ある商品やサービスの良し悪しが分かるのです。
平均値を知るのに特殊な努力や才能はいらない!
だから入社1年目や初めて取り組む仕事で怖さを感じる自分を責める必要はありません。
そして「今の自分は平均値も分からなければ相対評価もできないのだから、まずは日々、色々な経験を積むことから始めよう」と考えれば良いのです。
しかしこの思考がないと、初めて取り組む仕事で「私はこの仕事に向いてないんだ」と思いがちなのです。
すると、かんじんの平均値を知るための経験を積めなくなります。
せっかく経験を積むチャンスがあっても、引っ込み思案になって自らそのチャンスを避けてしまうのです。
平均値を知るには特殊な技術や才能はいりません。
そして「平均値を知れば、その仕事に対する怖さがやわらぐ」ことを知っていれば、あなたは今よりもっと積極的に色々な経験や失敗をすることができるでしょう!
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