盆栽で考える「売ってやる」の心理とは!?

商取引の現場では「強い」「弱い」が露骨に出ます。会社の規模や立場はもちろん、精神的な強さ・弱さも出てしまいます。

日本では「お客様は神様です」の精神があります。このため買い手が異常に強い文化ですが、売り手からすれば正常な取引を妨げるマイナス要因でしかありません。

 

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根深い「お客様は神様です」の呪縛

売り手と買い手の間に力の差があったとしても、少しでも対等な立場になるように、少しでもこちらに有利な条件になるようにするのが商売や取引の基本です。

しかし「お客様は神様です」の呪縛がある限り、なかなかそうはいきません。

文字通り「神様のようなお客様」なら無茶を言いませんが、多くの買い手は「買ってやる」という態度で不公平な取引を要求してきます。

しかしここで売り手が「売りたくない」と言ったらどうでしょうか?

強気の商売はこうして成立する!

趣味の世界では「売りたくない」がまかり通ります。つまり買い手より売り手が強い世界があるです。

例えばある民家の庭先に見事な盆栽が並んでいるとします。趣味の盆栽ですが、とても見事なので何人もの通行人が欲しがります。

連日のように「売ってくれ」と言われるので、盆栽を育てたA氏は少し売ることにしました。

どれもがかわいい我が子のような盆栽です。盆栽を売りたくないA氏は法外な値段を付けましたが、それでも売れてしまいました。しかも、法外な値段にも関わらず買い手は大満足で、何度もA氏に頭を下げるのです。

更に噂を聞きつけた人たちが「売ってくれ」と押しかけます。A氏は全ての商品を値上げしましたが、それでも売れてしまうのです。

…もともと商売する気は無かったA氏ですが、結果的に超強気の商売に成功したのです。

力関係は常に固定的ではない!

このように本当に価値があるものなら、通常の買い手と売り手の力関係は簡単に逆転してしまいます。

もちろん普段の商売ではなかなかこうはいきません。しかしこの話から分かること、それは付加価値をつけたり本当に価値ある商品を開発することがいかに大切で、更には取引の力関係まで変えてしまうということです。

また、力関係は固定的なものではなく、さまざまな状況で変化します。目端が利く商人は力関係を見抜く嗅覚に優れています。

逆に何でも盲信的に「お客様は神様です」と考えていると、いつまで経っても買い手に頭が上がらず苦労ばかりが増えてしまいます。

健全な商売のために…!

買い手に振り回される形で苦労すると健全な利益が出ない、…皮肉ですがこれが商売の仕組みです。

健全な利益を出すために、対等な取引に少しでも近付くように良い商品を開発し、状況を見抜き、常識に囚われずに取引することが大切です!

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