節電対策に見る「大人の権利主張」
2011年の東日本大震災で節電の必要性が認識されるようになりました。
そもそも企業はコスト削減のために常に節電したいものですが、顧客満足度に影響が出ることを恐れるあまり、なかなか節電に踏み切れずにいました。
しかし震災で節電が必要とされるようになり、これを好機に節電する企業が増えたのです。
企業のホンネと建前
日本の企業は「お客様は神様」という方針なので、少しでもサービス低下につながることをする場合、何らかの「言い訳」がないと実行できないのです。
しかし震災によって節電という大義名分ができました。これはあくまで大義名分であって、企業のホンネはもちろんコスト削減です。
言い訳なしで合理化を!
普段から経費削減や合理化になることは遠慮せずに進めるべきだと私は考えます。
しかし現状では過剰なサービス競争で企業は疲弊しています。
コスト競争をはじめとしたあらゆるサービス競争があり、どれも過剰な競争になっているので肝心の消費者がうんざりする場面も見られます。
これでは誰のためのサービスか分からず本末転倒な域に達しているといえます。
降りる勇気が必要!
そんな本末転倒を避け、正常な利益を確保するためには大義名分なしでも降りる勇気が必要です。
今の日本の雰囲気では、サービスの追加は「善」ですが、サービズの削減は「悪」になります。
万一、それで消費者にそっぽを向かれたら、サービス削減を言い出した人の責任問題になってしまいます。
しかしサービスを追加してそれが業務を圧迫しても、それは見えにくいので責任追求されませんが、確実に企業の業務や利益を圧迫することになるのです。
サービスの損益分岐点を見極める!
サービスは潤滑油のようなものです。サービスされた側はもちろん、サービスした側も笑顔になって気分がよくなります。
しかしいつしかそれが常態化してサービスする側の笑顔が消えました。「サービスは善」から「サービスは当然」になったのです。
不条理な要求にも笑顔で応えたり、長時間労働をしてまで会社やお客様に報いなければならない風潮になってきました。
これでは商売の本質から大きく外れてしまいます。
商売の本質とは?
私が考える商売の本質、それは対等な取引です。
そうは言っても力関係やしがらみがあるので、なかなか対等な取引ができないのが現実ですが、取引である以上、少しでも対等に近付く努力をするのが正常な商売と言えます。
適正な利益率を得たりムダを省いて合理化するのは企業にとって当然の行いです。それは恥ずべきことではありません。
なので大義名分がなくても、常日頃からそれらの努力をすることが大切です!
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