電話での意思疎通をスムーズに行う方法

メールが普及したことで、電話でのやり取りは少なくなりました。電話が苦手な人は徹底してメールを使うことで、ますます電話の出番が少なくなったように思えます。

しかしいまだに電話がなくなる気配はありません。
メールばかり使う人でも、電話が必要なのです。

では、メールと電話の違いは何でしょうか?

 

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勘違いが思わぬ事故にならないために

電話とメールの違いは何か? それは情報量の違いです。メールに比べて電話は圧倒的に情報量が少ないのです。情報量の少なさによって、相手との行き違いや誤解が生じることがありますが、これが電話の怖いところです。

例えば滑舌が悪くて語彙が上手く伝わらない場合、思わぬ行き違いが生じます。
以前、実際に私が経験したケースです。相手のお名前を「フジイさん」と聞きましたが、後にメールをもらって判明したお名前は「辻井さん」でした。

また、1月と7月は発音が似ています。1月は「いちがつ」、7月は「ひちがつ」なので、勘違いする可能性もあります。
もっとも、1月と7月は半年も離れているので勘違いする可能性は低いといえますが、それでもこの手の勘違いは避けたいものです。

尚、私は1月と7月を明確にするため、1月は「いちがつ」、7月は「なながつ」と発音しています。用心し過ぎかも知れませんが、それでも間違ったま話が進むよりはマシです。

単に言葉の聞き違いのみではない、情報量の少なさ

電話では対面やメールと違って情報量が少なくなります。そもそも電話のメリットは、相手のオフィスに行かなくても打ち合わせができることですが、その分、情報量が少なくなることを意識しておく必要があります。

それに比べて対面での打ち合わせは非常に情報量が多いのです。相手の表情やボディランゲージはこの上なく有益な情報ですし、机上の資料を指で指し示したり、あることを相手が勘違いしている場合はその場で「そういう意味ではなく…」と修正することができるのです。

このような理由から、IT全盛の今でも実際に会って打ち合わせをするのは非常に有効な手段といえます。

しかし電話の場合、相手の表情も分からなければ、資料のとある位置を指で指し示すこともできません。極端にいえば暗闇の中で手探りしながら意思疎通するイメージになります。

情報量が少ない電話で確実に打ち合わせをする方法

ではどうやってうまく電話を使えば良いのでしょうか?

まず、電話をする前に相手に資料をメール送信します。その資料は電話をしなくても相手に内容が伝わるような、分かりやすくて客観的な資料作成を心掛けます。

また、込み入った話をする場合、資料の至るところに記号を入れておくと便利です。

例えば建設中のショッピングモールの仕事で、現場管理者のあなたとトラック運転手が現場で落ち合う場面を考えてみます。

あなたは事前にトラック運転手に地図を送っていますが、その地図にひと工夫します。
現場は広大な敷地で入り口がたくさんあります。
例えばBのゲートから入って欲しい場合、Bゲートだけではなく、周辺の建物や交差点も明記しておきます。
○○ビルとか○○交差点とか○○コンビニというようにです。

しかしコンビニは現場周辺に複数ある場合があります。それでもそのコンビニが特定できるように、あなた自身が地図上のコンビニに記号や番号を振るのです。

具体的には『X』、『Y』、『Z』のようにです。

 

こうすることで、あなたとトラック運転手の意思疎通は格段にスムーズになります。

電話越しで地図上の場所を説明するのは困難ですが、これなら「『X』のコンビニを北に進んで『Y』の交差点を通過し、『Z』の交差点を右折して直進するとBゲートです」と言うことができます。
これであなたも説明しやすく相手も分かりやすいはずです。何より誤解が生じる余地がありません。

この記号が無い状態で話をすると、そもそも誤解したところから話がスタートする可能性があります。

あなたが言うコンビニですが、トラック運転手は違う店舗をそうだと思って勘違いするかもしれません。そうすると違う道を北に進んで違う交差点を右折して、全く関係ない場所に辿り着くことになります。

このような行き違いが発生するのは地図だけではありません。文章や図・グラフなどが記載されている資料でも、どの文章や図面を指し示しているか相手と共有できる状態にしておくべきなのです。

プレゼン資料など、大切な場での資料や正式資料で図やグラフに「図1」「図2」と記入するのは常識ですが、その電話の時だけ使用する資料では記号を振らないことがほとんどです。

しかしこんな場合こそ、面倒がらずに記号を入れるようにしましょう。
電話で上手く相手に伝わらない、あるいは誤解して相手に伝わるより、はるかに正確で時間短縮になるからです。

電話は完全なツールではありません。しかし少しの工夫で電話の不完全性を補い、あなたと相手の意思疎通をスムーズにすることができるのです!

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